小学生の頃の”長靴“にまつわる話を中心に思い出を紹介するページです。
当サイトで人気コンテンツになっていた「小学生の頃に履いていた長靴の思い出【トレンチボーイ】」ですが、追記をしていく内に記事が長くなり過ぎました。
スクロールの不便さを解消するため、ページを分割しました。画像も結構多くなりましたからね。
分割の基準としては、公開当初からある私のトレンチボーイの写真付き紹介は向こうのページ。
追記部分にあたる、イラスト付きで実際にあった友人たちのエピソード紹介がこちらのページになります。
また、紹介していなかったエピソードも新たに追記しました。
今回も長編となっています。
目次から読みたいエピソードへジャンプできます。
色付き文字だけ読んでも内容が分かるようにも心掛けています。
- 履けるサイズの長靴がなくて運動靴で登校した同級生
- 晴れた日に長靴を履いてきた女の子
- 素足で学校生活を送ることはないはずだったけどトイレ掃除で……。
- トイレ掃除で靴下を濡らした日
- 2階の男子トイレの長靴、水漏れします。
- トイレの掃除で靴下を忘れる
- トイレ掃除で自分から水を入れた日
- 長靴を脱がされて足をくすぐられた話
- 校庭の浅い池での遊び
- 上級生の赤い長靴
- 中学生のセーラー服と赤い長靴
- 玄関掃除と下駄箱異臭騒動
- ラメ入り長靴がまたサイズアウト……カレンジュニア054へ
- 長靴を汚したくない女の子
- 夏休みの河川清掃で蒸れた長靴
- 上履きを脱ぐ足癖の悪い同級生の女子
- 白いハイソックス
- 放課後に靴や靴下を脱いで会話した女子
- 水色長靴のにおい
- 田植えのエピソード
- 稲刈りのエピソード
- 冬の長靴での思い出
- 逆上がり
- 卒業後
履けるサイズの長靴がなくて運動靴で登校した同級生
通学ルートが途中から一緒の同級生の女の子と登下校してました。集団登校でもなかったけれど、できるだけ何人かで一緒に登下校するように言われていたので自然と一緒になります。妹も一緒でしたが、次第に同級生たちと先に登校していることが多かったです。
今から思うと小学生にしては割とおとなしい子だったと思います。まあ他の女子たちは男子よりもうるさくて元気な子が多かったですが……。
私もクラスの中心的な人気物というタイプではなかったので気があったのかな? だんだん仲良しグループが出来上がってくる4年生ぐらいから、一緒に遊ぶ機会が多くなりました。
別にほかの同級生と仲が悪かった訳ではなかったと思います。ただ、彼女はちょっと泣き虫だったのでその点少し浮いた存在だったのかな。
さて、その子と一緒に登下校してた訳ですが、雨の日はいくつか問題がありました。
水が溜まった歩道を通るコースだったこと、長靴の大きいサイズが近所の靴屋で売ってなかったこと、通っていた小学校では高学年は長靴をほとんど履かなかったことです。
冒頭で長靴率の高い小学校だったとお伝えしましたが、あくまで低学年の場合であって4年生ぐらいになると普通の雨だと運動靴で通うようになりました。
しかし、私たちの通学路には雨が降ると水たまりになる場所がありました。
水深の浅いところを選べば2cmぐらいだったと思いますが、長靴を履いていない場合確実に水が染み込んできます。また、街路樹に挟まれた歩道だったので、そんな水たまりエリアが20mほど続きました。
運動靴の子はみんな、その水たまりエリアで靴下を濡らして学校で靴下を脱いで素足生活です。
ただ、普通の雨なら濡らさずに登校することも出来た通学コースも多かったのも事実です。水たまりエリアがないですからね。
しかし、私と彼女は水たまりを避けることができません。
運動靴に水が染み込んでくる感触が非常に苦手だったので、長靴を履くことに躊躁はありませんでした。濡れた運動靴で通うなら、一人だけ長靴でも通うつもりでした。
ただ、もう1つの問題がサイズが大きめの長靴はバリエーションが少なかったことです。
近くの店では21cmぐらいまでしかカラフルな長靴は置いてませんでした。それ以上になると黒い紳士長靴か婦人用長靴ぐらいしか売っていません。
トレンチボーイも何かの買い物に遠出したとき、たまたま見つけて購入したような気がします。
だから私のトレンチボーイもぶかぶかなサイズを買って脱げかけながら履いていたのです。
それでも私の履ける長靴は見つかって水たまり問題も解決しましたが、問題はそう……。
その女の子が気に入って履ける長靴がなかなか見つからなかったことです。
女子のほうが成長が早いのもあり、足のサイズが大きくなり今まで履いていた長靴が履けなくなったのです。
小さくなった長靴を無理して履いてようで、途中で痛くなって「ゆっくり歩いて!」とか言われてから窮屈な靴だったことを知りました。たしか女子で当時一番背が高くなったかな?もちろん私より身長も高かったです。
3年生が終わるぐらいだったかな、ある日、そこそこ雨が降っていた朝、いつも通りに待ち合わせ場所で待っていると彼女が歩いてくるのが見えたものの異変に気付きます。
季節に関わらずいつも長い靴下を履いていたので、長靴を履いていた場合すぐに分かりります。
実際、私も一人だけ長靴状態が嫌だったので、一緒に登校する彼女が長靴を履いていると安心して学校に登校できました
それが運動靴を履いていたので、びっくりしてショックになったことを覚えています。今までなら確実に長靴を履いてくる天気です。
「なんで靴なの?」みたいなことを聞いたと思います。
今まで履いていた長靴が「小さくなってさすがに履けなくなった」こと、けど今のところ靴下濡れてないから大丈夫、とのことでした。
もう長靴は履かないかも?みたいなことを言ってたのかな、そのときは長靴の話題をしながら歩いた記憶があります。
まあ、通学コースによってはスニーカーでも濡らさずに登校できたので無くても問題ありません。
彼女が長靴を履けなくなったことよりも、自分だけ長靴になることのほうがショックでかなり絶望してました。友達の一人が減るような感覚だったのです。
ただ、私たちの通学コースには、歩道の水たまりエリアを通過する必要があります。
そこが見えてくると、いつも通り水が溜まっていました。
「どうしよう?」と聞いてきましたが、どうしようもないです。水たまりの前に立ち止まり色々考えてました。
長靴を履いている私が彼女をおんぶするのも、彼女のほうが大きかったので困難です。長靴を貸して、水たまりエリアを通過して投げてもらうには距離が遠すぎます。
裸足になって通過するのも、石や葉っぱがあるので無理です。
立ち止まっていても時間が過ぎるばかり。学校に遅刻してしまうので結局運動靴で水たまりを歩きました。
つま先立ちしながら少しでも靴下を濡らさないように、浅いところを選んで歩いていましたが、結局染み込み濡れていました。ここは昼から雨が降ったとき、私も運動靴がびしょびしょになるので嫌なところでしたが、下校時は家に帰れば濡れた靴から解放されて快適になります。
ただこれから学校だと、一日中素足で上履きを履くか、濡れた靴下で過ごすしかありません。
結局、彼女は泣きました。
なだめながら学校へ歩いて、いつもより遅い時間に学校に到着。下駄箱には長靴と運動靴が入り混じっていました。
下駄箱のすのこに座って、つま先から足裏まで染みになった靴下を脱いで、上履きに履き替えます。
基本的にいつも長い靴下を履いている彼女の素足姿は新鮮でした。これから素足状態が多くなるとはまだ予想できませんでした。
その日の学校生活の様子は残念ながら忘れてしまいました。
たしか夕方には雨が上がっていたかな?
彼女は再び、少し乾いたけど濡れた靴下を履いた気がします。
「やっぱり長靴履きたいなあ、その青い長靴どこで売ってた?」とか下校中に会話しました。長靴の話題ですが、かなり盛り上がったので何故か嬉しかったです。
晴れた日に長靴を履いてきた女の子
4年生になった離任式の日か始業式の日か、普通の月曜日かは忘れましたが、とにかく休日明けでした。
とにかく驚いたのですが、晴れた日に新しく買った長靴を履いてきたのです。
待ち合わせ場所で待っていると、少女が歩いてくるのが見えます。
ふくらはぎのあたりがピンク色だったので、派手な長い靴下を履いてきたのかなと思っていました。
しかし、近づくにつれてそれが靴下ではなくて、長靴だと気付きます。
「新しく買った長靴、履きたかったから履いてきた」と言ってきて私も似合っているね、とか言って納得したのですが、今から思うと結構大胆な行動です。
もちろんその日は、学校の下駄箱に長靴は彼女のしかありませんでした。
黒にラメ入りで、靴底と履き口のカバーがピンク色の長靴でした。
下駄箱に入る大きさは、トレンチボーイがギリギリ入るぐらいです。トレンチボーイは丈でいえばばみんなが履いてくる長靴の中では一番大きかったです。
彼女の長靴は履き口のカバーの分、トレンチボーイよりも長かったです。つまり彼女が学校で一番長い長靴というわけです。
幸いカバーを内側に傾けるとギリギリ下駄箱に入ったので喜んでいました。でも、履いてきた長靴に蓋をするのと一緒で、蒸れても乾かない訳なことですが、当時は気付いていませんでした。
ともあれ、私も一人だけ長靴という事態が避けれたので嬉しかったです。
素足で学校生活を送ることはないはずだったけどトイレ掃除で……。
通っていた小学校は少人数で1学年1クラスだったので、クラス替えはありません。
友人もずっと一緒でみんな進級です。
教室の場所と先生が変わるぐらいです。
ただ、4年生になるとトイレ掃除の当番が割り当てられるようになります。
当時の小学校の掃除当番は、学年ごとでローテーションて更にその中でも掃除の担当がローテーションしてました。
自分の教室は自分の学年。廊下、理科室、音楽室、図書室とかだと、例えば6年生と1年生の代表が図書室を掃除、理科室は5年生と2年生の代表みたいな感じです。代表はジャンケンか班別で選んでいました。
しかし、トイレに限っては4年、5年、6年生だけが当番することになってました。
児童が掃除するトイレは1階2階の2つなので、3週間で2回トイレ掃除の当番が高学年に来ます。
また基本的にトイレ掃除は立候補制でした。
なぜトイレ掃除だけ特別かといえば、上級生からの言い伝えでは、靴下が濡れるから色々トラブルがあって立候補制になったとのことです。
トイレの構造と長靴、ホースの影響が大きかったのです。
本来ならトイレ側の蛇口からホースをつなぎますが、蛇口が何故か大きすぎてホースが繋がりません。そのためトイレ入口の手洗い蛇口からホースを繋いで、トイレスリッパに履き替える簀子を通過して急に角度を変えてトイレフロアへ。そして掃除用具入れのところで再び角度を変えてトイレの掃除です。
ホース自体も長いですし、角度が2回も変わるとかなり捻じれてしまいます。捻じれた結果、ホースの水の出が急に悪くなり、縄跳びみたいに動かして捻じれを取るか、手で解きに行きますが、直った瞬間、水圧がかかっていた水が一気にホースの先から吹き出します。
そのときに服や長靴に水が掛かってしまう訳です。
捻じれが酷い場合、蛇口とホースが外れて、ホースの水が簀子付近に飛び散り、脱いでいた上履きが水浸しとかもありました。
捻じれないように気をつけていると、ホースの先に気を取られ知らない間に足元の長靴に注ぎこんでいるのです。
どちらにせよ濡れてしまう可能性が高いのです。
だから、トイレ掃除当番には靴下が濡れる覚悟が必要でした。靴下を予め脱いでいても濡れる可能性があったので、濡れたら靴下を脱ぎ、干すのが定番でした。
ちなみに普段は昼休憩が終わってから5時間目が始まるまで掃除でしたが、水曜日は職員会議の都合で朝掃除だった気がします。
朝掃除の場合、靴下が濡れたら一日中素足で過ごすわけです。
さらに悪いことに、2階の男子トイレの長靴には穴が開いていました。片方はかかとのあたり、もう片方は土踏まずのあたりにです。
晴れた日に素足でいる子は、トイレ掃除で濡れたと言われるぐらいでした。
そんな事情を詳しく知らなかった私と彼女は、掃除当番の4年生トイレ掃除代表として立候補しました。長靴うんぬんよりも、トイレの構造上男子トイレと女子トイレの仕切りの天井付近が開いていたので、お互いしゃべりながら掃除ができるからです。
ほかの女子と色々あったみたいで、イヤイヤ教室を掃除するよりも落ち着いて掃除できるトイレに行きたかった訳です。
トイレ掃除で失敗すると靴下が濡れることは知っていましたが、気をつければ大丈夫だろうと言って立候補を決めました。
はじめの掃除の週は、5年・6年生がトイレ掃除だったので掃除のやり方を見に行きます。私と彼女、そしてトイレ掃除で一緒に遊ぶことになる彼とその彼と仲良かった女子の4名が代表として見学に行きました。
そのときにトイレ掃除の方法や順番、コツなど色々教えてくれました。
「真面目に掃除してても靴下が濡れることが多い」と聞いてやっぱりトイレ掃除を辞めたくなります。その頃はまだ長靴にコッソリ水を入れる遊びもしてませんし、靴下が濡れるのが凄く嫌だった時期です。
今まで頻繁に上級生が晴れた日に素足で上履きを履いていた理由も分かりました。
彼女も同様でしたが、もう当番は決まってしまったので仕方ありません。
来週からは1階トイレを2人で掃除です。
また、上級生の話では女子トイレの方が靴下が濡れやすいとのこと。
女子トイレの長靴は男子とは違い白い短めのヒール長靴でした。
タイルの水たまりには防水性能を発揮できるけど、ホースから降り注ぐ水に弱かったらしいです。
下手したら毎回靴下を濡らすので、上級生のクラスの女子は誰も立候補しなくてジャンケンで当番を決めているとのこと。
みんな長い靴下を履いていたので、自分一人だけ素足になると恥ずかしいから嫌だったのです。
ジャンケンで負けてトイレで靴下を濡らして悔しくて泣いた子もいると言ってました。
どうしても靴下を濡らすのが嫌な子は脱いで長靴を履いているとのことです。
ただ、彼女は掃除用長靴を素足で履きたくないと言っていたので、靴下を濡らす覚悟で掃除に挑むしかありません。
はじめのトイレ掃除はかなり緊張して丁寧にした記憶があります。
ホースを捩じらないように、手元も十分気をつけてました。そのおかげで靴下を濡らすことなく掃除を終えることができました。
彼女も無事掃除できて、お互い「トイレ掃除って大したことないね。気をつけてたら大丈夫!」みたいに安心していました。
トイレ掃除で靴下を濡らした日
はじめて失敗して濡らしたのはそのあとすぐ水曜日でした。
朝から雨が降っていたので2人とも長靴を履いて登校しました。運動靴を履いてきた数人が靴下を濡らして脱いでいましたが、私たちは靴下を濡らさずに余裕で登校できました。
ただ、水曜日は職員会議の都合で朝掃除です。朝の会をいつもより簡単に素早くすませ、1時間目は体育だったので体操服に着替えてから掃除をします。
着替えるのに手間取りトイレに着いたのが結構遅れてしまいました。
時間がないときの掃除はそれぞれどこまで省略してOKなのか決まっていました。教室なら雑巾がけなし、トイレ掃除なら便器は洗わなくてよい、とかです。それでもホースで水を撒きながらデッキブラシでタイルを洗う必要がありました。
体育館への移動も遅れる訳に行きません。
急いで長靴を履いて、ホースをセットして蛇口をいつもより回して大量に水を撒きながらタイルを擦ります。かなり焦っていました。
個室のタイルを洗おうと扉を開けて、閉まってくる扉を左足でブロックしながら入ろうとした瞬間、ホースの先から大量に出ている水が右の長靴の中に注ぎこまれました。そのときの不思議な強烈な感覚と膝から力が抜けたことは今でも鮮明に覚えています。
突然の不意な出来事と、靴下を濡らしてしまったことから叫んだと思います。彼女も私が足を濡らしたことに気付いたようで、声をかけてくれました。
それまで滅多に靴下を濡らさなかったので、不意に水が長靴に入ってくる感覚は独特です。さっきまで乾いていた靴下が一気に濡れるのは、運動靴でじわじわと水が染み込んでくるのとは全然違います。
体操着の半ズボンだったので、一瞬で靴下のつま先まで濡れたのです。
歩くと、ぶかぶかサイズの長靴が重たくなり、靴の中で水が移動して変な音を立てています。
靴下を濡らした事実に動揺して顔が火照っていました。これから体育で足元が目立つと思ったことで、おそらく半泣きだったことでしょう。
素足で上履きの感覚が嫌いですし、長靴で登校したのに靴下を脱いでいるのが恥ずかしかったのもあります。
長靴から足を抜いたら、長靴の中にたまった水が反射して映っていました。靴下から水が滴っていました。
ショックを受けながら、長靴を送さまにしたらジャボジャボと水が出ました。とりあえず壁にもたれて右の靴下を脱いで硬く絞り、素足で長靴を履きます。靴下は体操服のポケットに突っ込みました。
これ以上、掃除する気にならなかったし時間もないので、ホースの水を止めに行きますが、簀子の向こう側に蛇口がある関係で、長靴を脱ぐ必要があります。簀子には右足の跡がペタペタとついてしまいました。
ホースを片付け巻いて使えない蛇口に掛けます。
その頃女子トイレからも「あー!」みたいな声が聞こえました。ホースを巻いて掛けようとしたら手が滑って、中に入っていた水が長靴に注がれたとのことでした。
トイレから出てお互い片足が素足になった姿をみて泣きそうになりました。
私は短めのソックスでしたが、彼女はいつも通り長い靴下です。片足だけになると余計に目立ちます。
濡れた靴下で上履きを履くと、湿って変色しますし、フニャフニャになってきます。それはまだマシで、足が痒くなってきます。それを我慢しながら過ごすのも気持ち悪かったです。
ただ、靴下を脱いでも足がべたつくので、ついつい机の下で上履きを脱ぎたくなります。彼女もトイレ掃除で濡らして素足になった日には、上履きを脱いでいたようで結構先生に注意されていました。
ちなみに彼女は結構足癖が悪かったので、そんなエピソードもまた追記しようと思います。
相談して、私は素足で上履きを履くのが苦手だったから濡れた靴下を再び履く、彼女は濡れてないほうの靴下も脱いで両足素足になりました。
教室に戻っている時間がなかったので、とりあえず無くさないように取られないように、トイレ長靴の中に長いソックスを入れたとのことでした。
結局、長靴を履いてきたのに彼女は一日中素足で過ごしていました。
結局、下校時まで靴下は乾かなかったです。
放課後は雨が上がっていたので、みんな運動場や遊具で遊ぶので靴に履き替えます。
私は、まだ湿った右足の靴下のままトレンチボーイを履いて、彼女は素足で長靴に履き替えていました。
まだ2回ほどしか履いていないラメ入り長靴が素足で履かれるのを見て、何故か可哀想に思ってしまいました。
それからトイレ掃除をする日には彼女は素足で過ごす割合が高かったです。
他の女子が長い黒い靴下を履いている中、一人だけ素足なので目立っています。
もう一人の女の子が、彼女のことを可哀想と思ったのか代わりに立候補することもありました。その女子もトイレ掃除の度に濡らして毎回素足で過ごしていましたが……。
また、彼女の長靴の方が丈が長かったので、先生に相談して自分のラメ入り長靴でトイレ掃除をすることもありました。
雨の降った日は、履いてきた長靴をトイレに持ち込み履いて掃除。
当番の一週間で雨が降らない予報のときは、家から持参してトイレに置いていました。
手間がかかりそうですが、彼女本人は「お気に入りの長靴を毎日履けて嬉しい」と大満足だったので安心しました。
少人数の小学校だったので、融通が利いたのかもしれません。
ただ、濡らす回数は減ってもゼロにはならず、脚を伝いラメ入り長靴に水が入ったことがあるようです。雨の日に履いてきてトイレ掃除で濡らした場合、濡れた長靴を履いて下校するのでテンション下がっていました。
2階の男子トイレの長靴、水漏れします。
2階トイレ掃除の番になりました。1階のトイレと違って古めの黒い長靴です。ちなみに黒長靴にしては丈が長くないです。トレンチボーイと同じぐらいでした。違いといえば誰でも履けるようにサイズが27センチぐらいだったので、ぶかぶかだったぐらいです。
濡らさぬように注意して掃除したけど、何か靴下に染み込んでくる感触がありました。 初日は特に気にしませんでしたが、ある日気になって、ホースの水を長靴に当てると急に靴下が冷たくなりました。かかとと土踏まずのところに亀裂があったのです。
前から長靴に穴が開いていたから、靴下が濡れる確率が高かった訳です。
いくら濡らさないように注意しても、下手すると運動靴よりも防水性がないレベルだったので、毎回靴下を濡らしてしまいました。
しかも、素足の彼が手伝いにきたとき私のハイソックスがびしょびしょになりました。半ズボンでトレンチボーイを履いて登校するときにサッカーソックスっぽいハイソックスを履くことが多かったです。
さすがに、まだ黒長靴にホースの水を注いでくるほどの悪戯はしてこないです。
彼がタイルの真ん中にある排水溝にスッポン(排水溝の詰まりを解消する道具)で蓋をしてトイレのタイルに水を貯めます。
今後のトイレ掃除でも、とりあえずタイルを水たまり状態にして彼は裸足で水たまりに入り遊びます。はじめに一回タイルを洗剤で洗うから特に汚いこともないだろうとのことです。
私も長靴で水たまりを歩くのは好きだったので提案に乗りました。
しかし問題は、この黒長靴の底付近が穴が開いていることです。
一番苦手な感覚だった、運動靴に水が染み込んでくるような感覚を味わう羽目に。
バレたら悪いと思い、何事もないように振舞いましたが、心の中では泣きそうになっていました。
学校に履いてきたトレンチボーイならこんな目にならないのに……。
彼が遊んでいる間、個室を掃除するふりをしてコッソリ長靴を脱いで確認すると、グレーのハイソックスのつま先から足裏がびしょびしょになっていて、長靴の中にも水が溜まっていました。
結局、濡れたハイソックスのまま上履きを履いて午後の授業を受けます。授業中に段々と上履きが湿って変色してくるのが恥ずかしかった記憶があります。
これから2階のトイレ掃除は嫌だなと思っていたら、いつの間にか長靴が変わっていました。
もっと丈が長いゴムの黒長靴で、女子トイレにも1足ずつ置かれました。
やはり靴下が濡れるのは問題だったようで、少しでも長い長靴で水濡れを避けるのが目的だったようです。低学年は担当しないので丈が長くても問題ありませんからね。
結構長い長靴で、当時の身長だと膝下ギリギリぐらいまでありました。柔らかくて意外と履き心地は良かったです。はじめて履いたときブーツみたいでテンションが上がりました。
ただ、デメリットで濡れた場合乾きにくくなった感じがありました。
今までだと、長靴を濡らした次の日の掃除だとたいてい乾いていましたが、丈が長くなったのと逆さまに置けなくなったことで、湿っていることが多くなりました。
それでも、毎回足が濡れる確率が下がったのでかなり嬉しかったです。まあ、後々遊んだりしてほとんど靴下を濡らすことになるのですが……。
トイレの掃除で靴下を忘れる
長靴の丈が長くなってから、不意に靴下を濡らすことは少なくなりました。
女子トイレでも、長い長靴を使うようになったので彼女も靴下を濡らす回数が減りました。
ただ靴下を連続で忘れる事件がありました。何年生のときかは忘れたけど、暑い季節のときです。
おそらく火曜日、2階のトイレ掃除をしていると女子トイレから声が聞こえてきました。靴下を濡らしたようです。片足だけで軽く濡れただけですが、両方干したものの忘れて帰ります。
たしか雑巾干しではなくて、教室の窓の外に手すりがあったので、そこに干していました。
他の子からか靴下が臭いと言われて気にしていたのか、早く乾かそうとしたこともあり彼女は窓の外で干すことが多くなりました。
ちなみに彼女はトイレ掃除で靴下を濡らしたことを家族には言いませんでした。
トイレの掃除を担当してることも言ってなかったと思います。
だから靴下を濡らしたときは、「体育で脱いでからそのまま忘れた」とか、「暑かったから脱いでロッカーに置き忘れた」とか言い訳したと言ってました。
次の日、雨が降っていて長靴で登校しました。
手すりに干し忘れていた靴下も雨で濡れていました。教室で干せないのでトイレの掃除用具入れの洗濯ばさみに干しに行ったみたいです。朝の掃除だったし基本的に誰も開けませんからね。
トイレ掃除に助っ人がきて2人でしててデッキブラシを担当してたらホースの子の手が滑って長靴に注水、靴下が濡れてまた掃除用具入れで干します。
ちなみにほかの掃除の場所が人数余っているときは人数の必要なところやトイレ掃除を手伝うことになってました。けれど2人になると、いたずらで水をかけることがあったので助っ人がいないほうが掃除はできた印象です。
結局、2足とも夕方まで乾かずそのまま下校しました。
次の日木曜日、一緒に登校するときに靴下忘れを怒られたことを聞きました。
今度、学校に靴下を忘れた場合、次の日の朝は素足で登校して、忘れた靴下を履いて帰ってこいと言われたとのことです。
結構厳しいなーとそのときは思いましたが、まあそうですよね。
掃除で昨日濡れた長靴が乾かなくて、靴下のつま先から裏が湿ったと言ってきました。
結構あるあるの出来事で、水が溜まるほど濡れた場合しっかり逆さまにして水を捨てておかないと、次の日もまだ濡れていることがありました。
でも、「これなら干したら夕方まで乾きそう」とか会話したけれど、結局、個室を掃除するときに手が滑ってまた靴下が濡れてしまいました。
個室を掃除するときにホースが引っ掛かりやすかったので、長靴に水が入る確率が高いところでした。だから遊ぶ男子よりも意外と女子のほうが靴下を濡らす確率が高かったのです。
また濡れた訳ですが、昨日一昨日の干してて忘れた靴下が2足あるので掃除が終わった後にそれを履いて、もう1足はランドセルに入れて忘れないようにしてました。ランドセルに直接入れるのかと驚いたものの確実です。私は自分の履いた靴下を教科書とかドリルと一緒に入れたくなかったで……。
これなら、許してもらえそうと話もしました。
そして翌日も雨がしょぼしょぼと降ってた気がします。一応長靴で登校。待ち合わせ場所で彼女が歩いてくるのが見えたけど、いつもはピンク色のカバーから出ている黒い靴下が見えますがその日は見えません、肌でした。
珍しく短い靴下かなと思って聞くと、とうとう靴下を忘れることに怒られたらしくて、靴下を履いて行くな、と言われたそうです。
今まで、学校でトイレ掃除中に靴下が濡れたり登校中に濡れたから、長靴を素足で履いて帰るとかはよくありました。
しかし、素足で長靴で登校するとは初めて見たのでびっくりしました。
それこそトイレの掃除で遊んだ彼は、素足で登校することがよくありましたし、もう1人の女子も面倒だから靴下を履かずに来たとか「雨でどうせ濡れるなら素足でいいや」という感じだった気がします。
でも長靴は靴下を濡らさないための靴と私は思っていたので驚いた訳です。
夏場に素足で長靴を履いて登校したので蒸れて、下駄箱のすのこに足跡がつきました。しかも、素足なのでラメ入り長靴の中敷きも足に引っ付いて途中まで出てくる程です。
まあ私もうっすら足跡はついていたんですがね。
すぐに昨日干した靴下を履きに行ってました。
トイレ掃除は私たちがするときが多かったですが、それでも他のクラスメイトが掃除することもありました。
トイレの掃除で遊んだ彼も担当しました。彼は基本的に靴下を履いていなかったので、濡れてもノーダメージです。
むしろ掃除するときに、あえて長靴に水を溜めていました。彼が休んだときに代わりに私が掃除ですが、掃除道具入れを開けると水のたまった長靴が置いてあって焦ったときもあります。とりあえず水を捨てて蛇口で長靴を洗って、靴下を脱いで履きました。夏は気持ち良かったものの、寒い冬場にされたときは辛かったです。
私と仲良かった友人たちが担当のときは、靴下を濡らしたくなかったので気をつけていましたが、それでも片足だけ素足になったのは良く見ました。
お調子者だったので、素足の彼たちといつもつるんでいましたが、私とも仲良かったです。
ただ、彼は冗談でよく「僕は水虫だー」とか言ってました。体重測定で彼の後に体重計に乗る子はみんな嫌がっていたのを覚えています。
それだけなら良かったのですが、長靴を履いてきた日に「今日はいつもより蒸れてる」とか「臭い嗅いだらヤバかった」とか言ってました。本人曰くマニアとかフェチと自慢していました。
私たちも長靴を履いているので、みんなから同じように思われてしまいました。
それで彼がトレンチボーイを嗅ぐ真似をして「ヤバいほど臭い」とか言ったのです。
けれど、それとは関係なしにトイレ掃除当番をしていると臭くなったのは事実でした。靴下が濡れた状態や素足で上履きを履くとどうしても臭くなりやすかったです。
素足で居るのが多かったあの女子もトイレ掃除がありました。裸足が好きだったからトイレ掃除が終わるたびに靴下を脱いでいました。
聞いてみたら、「ホントは靴下履きたくないけどみんなが履いてるから履いてる」、「トイレ掃除で濡れたことにしたら堂々と脱げるから」、と言ってました。
私と真逆な発想で理解できなかったけど、結構私と仲良かったので色々と思い出もあります。
そんな靴下を脱ぎたい理由で、よく彼女のトイレ掃除を手伝いに来ていました。それで2人とも仲良くなって、おとなしかった小説好きな彼女をフォローしてくれる存在な感じでもありました。
特に女子トイレが前からあった白いヒール付き長靴と黒長靴の2足体制になってからは堂々と手伝えたのでよく来てました。
トイレ掃除で自分から水を入れた日
トイレ掃除で友人と遊んだ話は前半にしたので、それに至るまでのエピソードを紹介します。
いつも素足の彼とお調子者の友人が発端ですが、くすぐるのが流行りました。
はじめは2人じゃれてくすぐっていたのが、次第に他の男子も狙われるようになりました。
教室だと、プロレスのように寝そべった相手のおしりに座り、脚を持って主に足の裏をくすぐる遊びでした。どれだけ我慢できるかが勝負ですが、特に勝ち負けはなかったような気がします。
私はくすぐりに弱かったので我慢できませんが……。
見ている分には面白かったけど、実際にされるときは結構ドキドキです。寝そべって何もされてないのに笑えてきます。上履きを脱がされて、くすぐられるとどうしようもありません。
ちなみに手でくすぐる他に脱いだ上履きを使ったり、何故か置いてあるタワシとかでくすぐっていました。
くすぐりと長靴エピソードは関係なさそうですが、ある出来事がありました。
雨が降っていなかったけど、トレンチボーイを履いて行くことに。
途中でかなり強い通り雨が降ってきて、長靴を履いていても水飛沫で濡れそうだったので雨宿り。幸いピークは短時間だったので学校には遅刻しません。
運動場が水浸しになっていたので、運動靴だと確実に濡れてしまい、教室に着くと私たち2人以外は素足になりました。
しかもその日は灰色の長い靴下だったので目立ちます。
ちなみに私が長靴の日にハイソックスを履いていた理由は、現在執筆中の新たな記事で紹介しようと思います。
濡れなかったので友人たちから羨ましがられます。
椅子に座って提出物の確認をしていると、いきなり上履きを脱がされて足をくすぐってきました。
いつも素足の彼と調子者の友人です。くすぐり流行中だったのでよくあるイタズラでしたが、靴下を脱がそうとしてきました。抵抗してそれは回避できたものの……。
「大休憩でくすぐりに耐えれたら靴下を履いててもOK」という理不尽なルールが提案されました。
耐えられる自信はないですが、「今日だけだったらいいよ」と強がってしまいました。
素足になるのは嫌でしたが、ノリが悪いと思われるのも嫌だったので内心泣きそうな気持ちだったもののOKしたのです。
その日は朝トイレ当番でした。
トイレの長靴に履き替えてタイルに水を掛けながら考えます。もし、本当に今日だけのルールなら大丈夫だけど、これからも罰ゲームで靴下を脱ぐことになるのは凄く嫌でした。素足で過ごしたくないから長靴を履いて来ているのに本末転倒です。
いっそのことココで靴下を濡らして脱ごう。それが一番マシな結果だと決めました。
足元に視線を落とすと、ひざ下まである黒長靴とその上に少しだけはみ出している靴下、その中には靴下に包まれた足の甲が見えます。せっかく濡らさずに登校できたのに……。
丈が長い長靴に交換されてから、ほとんど濡らさなかった靴下を自分で濡らすのには勇気がいりました。
ホースを持つ手が震えながら、タイルに水を落としています。
ホースであえて注ぐのは無理でした。
ホースの水が出ているところに片方の足を徐々に差し出します。ホースの水が長靴の筒に当たりうねうねと振えます。履き口がふくらはぎを何度も刺激します。その状態が体感ではかなり続きます。ハラハラしながら、まだ濡れていない靴の中で、つま先が濡らさないでと言わんとばかりにもぞもぞ動きます。
一瞬、履き口に当たった水が脚にかかりハイソックスのふくらはぎ当たりを濡らしました。
慌ててホースを置いて壁にもたれて、長靴から足を抜き確認します。濡れたのはふくらはぎまでで、くるぶしやつま先は濡れていません。
手が濡れているので触って確認できないので足を近づけて、足指をおもいっきり動かして見た目や感覚でまだ全く濡れていないことが分かりました。
濡れていないつま先を見て、このままやめようと思いましたが、そういう訳にはいかないので再び長靴を履いてホースの水に足を近づけます。
ふくらはぎと履き口の内側が濡れただけの長靴の筒がホースの水で再びブルンブルンと波打ちます。
さらに近づいたその瞬間、ガボガボと音を立てながら浸水。 土踏まずから瞬時につま先、足の指の間、かかとが濡れたかと思えば、すでに踝以上の水深が長靴の中で発生。
動揺して膝がガクガクと力が抜けてホースをタイルに落とします。靴下はもちろんびしょびしょです。つま先をさっきのようにもぞもぞ動かしても完全に水の中でした。サラサラしていた靴下にはもう戻れません。
何をしているんだろう、と情けなくなり半泣き、いや泣いていたかもしれません。とりあえず落ち着くためにしばし休憩。
ただ、片方の靴下が濡れたことで諦めがつきました。
反対側の長靴には水が出ているホースを直接突っ込みました。
水が入る瞬間ほど長靴の負けがあきらかになることはありません。防御力があった砦が一気に崩れるようなものです。
悔しい気持ちですが、注水は止めません。だんだん水圧で長靴が膨らみ、履き口から水が溢れるまで入れました。
水を一度捨ててまた、踝ぐらいに水を溜めて掃除を続けました。
歩くたびにガポガポ・チャポチャポと音がなりながら、濡れた靴下のつま先がまとわりつく感触を受けながら掃除を終えました。
すのこに腰掛けてひざ下まで滴るほど濡れた靴下を脱ぎ、雑巾で足を拭いて手洗い場で靴下を洗い流します。
さっきまで脚を包んでいたものがなくなり足元が寂しくなります。
滅多にない素足で上履きを履いて、教室に濡れた靴下を持っていき「トイレ掃除で靴下びしょびしょに濡れた」と伝えました。
「あーあ、残念」みたいな反応が返ってきましたが、大休憩に脱がされることは回避できました。
放課後、みんな干していた靴下を持って帰るわけですが、ハイソックスだったので「女子の靴下を履こうとしている」といじられたぐらいです。
湿った靴下を履いて、乾いたトレンチボーイを履くのは不思議な感覚でした。靴下は既に濡れているので砂場の水たまりや浅い池でも躊躇がなくなりました。
いつもは控えめにしていたのをギリギリまで攻めます。通気口から知らない間に浸水してきます。
この出来事から長靴の中を濡らすことが多くなりました。
いつも素足の彼が、長い長靴に交換された後でも、水を溜めて掃除をしていた理由もなんとなく分かりました。
長靴を脱がされて足をくすぐられた話
余談ですが、トイレ掃除のときは脱がされなかったものの後日くすぐりられて靴下を没収されたことがあります。
くすぐりはもちろん、耳の後ろから息を吹きかける、膝カックンを仕掛けたりやられたりするのは日常茶飯事だったので語るとキリがないのですが、長靴に関するイタズラでもう一つ出来事がありました。
昼から大雨が降る予報だったので、雨が降っていなくても長靴で登校した私。
さすがに長靴組は少なくて、同級生ではラメ入り長靴の彼女だけでした。
その日は、トイレ掃除で濡らしたときと同じ濃いグレーのハイソックス。
ちなみに、灰色のTシャツが汗で濡れたら目立つように、グレーのハイソックスも濡れたら他のカラーの靴下よりも目立ちました。
雨が降ってないので登校したので学校に着くなり早速、いつも素足の彼にいじられます。
またくすぐられるのかと身構えましたが、朝の会や1限2限の小休憩では何もしてきません。
2限3限間の大休憩に入り、雨もまだ降っていないのでみんな運動場に遊びにいきます。
友人たちと遊びながらいったん朝礼台に腰掛けました。
朝礼台に座ると地面に足が付かないので、ぶらぶらさせながら友人たちと話しています。運動靴と違い、トレンチボーイはサイズが大きかったので脱げないように気をつけてはいました。
突然、片足の長靴が脱げたと思ったら、つま先から足裏にかけて強烈にくすぐられて、びっくりする間もなく力が抜けて笑うことしかできません。
私たちにバレないように、彼とお調子者の友人2人が腰を低くして近づいていて、ぶらぶらしている足から長靴を脱がしてくすぐりにきたのです。
朝礼台なのでそのまま寝て背中をつけて思う存分笑いました。友人たちも笑って見守っています。
笑って脚も動くので、もう片方の長靴も知らない間に脱げています。
なぜか普段の靴下よりもハイソックスのほうがくすぐったく感じます。つま先付近をくすぐられるのが一番効きました。
じゃれるのも満足したので、いつも通り「そろそろやめて」と言いましたが今回はやめてくれません。
「降参するなら、靴下は今日一日没収な」足をさすりながら彼がニヤニヤしながら言ってきます。
そう、この前のリベンジだったのです。
「それはイヤ!やめて!」
靴下を脱いで上履きを履くのが嫌だった私は、それだけは勘弁してほしかったのです。
つまり拒否した訳です。まあこの場合どうなるか結果はお分かりかと思います。
彼とお調子者の2人が背を向けて、片足ずつふくらはぎを小脇に挟みました。
はじめは字を書くようにゆっくり足裏をなぞられます。
「降参する?」彼が聞いてきますが、もちろんこの程度なら耐えられます。早々に諦めて靴下を没収されるつもりはありません。
「全然、大したことないなあ」と私も挑発します。
いったん、くすぐる動きが止まりました。強がったものの不安になります。
その瞬間、ほぼ同時に思いっきり足裏をくすぐってきました。靴下が破れるかと思うほど凄い速さで強烈です。さすがにヤバいと感じるほどで何も抵抗できません。
「参ったか!?」と聞かれますが、爆笑して返事ができません。
その間くすぐりは続きます。
かろうじて、「もういい」と言ったのを友人が伝えてくれてくすぐりは終わりました。
約束通りハイソックスは没収されることになりました。
2人が片方ずつ預かって、「今日の放課後帰るときに返す約束でいいよな?」と言われ、私も同意します。
これから嫌いな素足で上履き生活ですが、これ以上くすぐられたらヤバいので素直に応じました。
2人それぞれが脚から靴下を脱がしました。靴下を脱がされる経験もめったにないので新鮮です。
脱ぎ終わり、ハイソックスだったので手で振り回してプロペラの真似もしていました。
「臭ッ!」と嗅ぐ真似をしてポケットに入れます。
素足の足を軽くくすぐられた後、足元に落ちていた長靴を朝礼台に置いて2人はまたどこかへ遊びに行きました。
まさかの出来事に笑うしかできませんでした。
約束通り靴下は返してくれるのは信用していたので特に不安はありません。
友人たちと「長靴で来てトイレ掃除もまだなのに、靴下脱いでるっておかしいよなあ」とすっかり寂しくなった脚元を見ながら笑っていました。
裸足で履くと少しベトッとした長靴の中底の感触がイヤだったものの、素足で履いて下駄箱まで戻ります。上履きも同様に、ぬるっとした感触が気持ち悪いものの負けたので仕方がないです。
昼休憩もギリギリ雨が降らなかったので運動場で遊びます。再び素足で長靴を履いて外に出ます。友人たちと彼らに仕返ししようと決めて追いかけましたが、彼らも逃げ足が早いので結果的に鬼ごっこになりました。
昼休憩が終わったぐらいに雨が降ってきて、放課後は体育館で遊びますがまだ素足です。
完全下校時間になって下駄箱に着いたときに2人からソックスが返ってきました。
手渡されてすぐに、その場で履いたので「そんなに裸足で靴履くのが嫌なのか」といつも素足の彼が苦笑いしていました。
素足の彼は、素足で生活するのが好きだったので、その良さを味わうために靴下脱がしをしていたような気がします。ただ、私は素足で靴を履くのが苦手だったので、その良さを知ることはできませんでしたが……。
校庭の浅い池での遊び
校庭の隅に浅い小さな池がありました。
特に生物は飼育していなくて、緑色に濁った水だけの池です。
晴れた日の放課後やあまり雨が降らなかったら、砂場に水たまりは出来ません。その代わりにその池で長靴ギリギリ遊びをしました。
校庭にある池なので浅くて、中央部の一番深いところでもトレンチボーイより少し深いぐらいです。
砂場の水たまりと違って靴下を濡らしてしまう可能性が少なかったので、下級生とかもよく遊びに来ていました。
砂場の場合は深さが分からないし、不意に浸水するからです。
ただ、それでも私たちはよく濡らしてしまいました。
トレンチボーイはお伝えしたように通気口が自分から分かりにくいところにあるので、余裕だと思っていたら足裏がひんやりして濡れていました。
お調子者の友人は、池の淵から飛び込んだりしてあえて濡らしに行くぐらいだったので、いつも濡らしていました。
彼女は最強でした。
丈も長いしフードを絞ると水が跳ねても中まで濡れません。
ちなみに普段の登下校では長靴の中を濡らすことがありませんでした。夏の横殴りの雨で、長靴組でも靴下を濡らしてほぼ全員素足になった日でも靴下を守っていました。本人曰く、フードを絞ると暑くなるのでいざという時だけとのしたが。かなりうらやましかったです。
もう一人の友人は、足を濡らすのが苦手だったので慎重でしたが、柔らかい素材だったのでギリギリを攻めると水圧で折れ込んで一気に濡れることがありました。
たしか彼は紺色の長靴でしたが、女性用だったはずです。女性の先生も同じ長靴を学校に置いていたので多分そうでしょう。
私もこの長靴に思い出がありますが、トレンチボーイよりもかなり柔らかくて履き心地の良い長靴でした。
彼は白っぽい靴下を履くことが多かったので、なおさら泥水や池の水を入れないようにしていました。水没してしまったあとに蛇口で丁寧に洗っていたのも彼です。
丈はトレンチボーイと同じぐらいだったかと思います。でも通気口がない分彼のほうが深いところまでいけたので、私は悔しくてセロハンテープで通気口を塞いだりしてチャレンジしたのです。ふやけて剥がれて一気に通気口から浸水しましたが……。
ちなみにこの長靴の彼も、くすぐりのイタズラを受けたことがあります。
彼の場合、靴下だけではなく長靴も没収されました。
私がくすぐりの罰ゲームでハイソックスを没収されたときに一緒にいた友人の一人ですが、その時は何もされませんでした。
次の日、雨はほぼ止んでいましたが、彼は昨日の下校時に運動靴を濡らして乾かなかったので、紺色の長靴で登校しました。私たちですら運動靴で登校したので、長靴は彼だけだったような気がします。
この時点で、素足の彼とお調子者の彼に目を付けられていたようです。
もちろん雨が止んで晴れていたので、大休憩は外で遊びます。
滑り台を滑ったりして遊んでいました。彼が滑り始めた瞬時、下で隠れていたお調子者の彼と素足の彼が、滑り台の先に待ち構えます。
昨日の出来事が鮮明なので、彼も何をされるか分かり慌てて手でブレーキを掛けますが、勢いがついているので止まれません。待ち構えているところへゴールインしたと思えば、すぐに長靴を脱がされて足を中心にくすぐられて爆笑しています。
私たちも急いで彼らの元へ駆けつけます。ギブアップと言ったようで着いたときには、くすぐりは終わっていました。
しかし、片方の長靴はいつも素足の彼が履いています。事情を聞くとどうやら長靴も没収ということになったらしいです。もう片足のくすぐりに耐えれたら長靴は返してあげる条件で、二回戦が始まりました。
彼も長靴を掛けて必死に耐えています。私たちも応援します。
ただ、やはりくすぐりには耐えれないものです。涙目になりながら堪えていましたが、限界が来て降参しました。
結局、素足の彼の運動靴が渡されて、靴下は2人で没収、長靴は素足の彼が履いて校庭の浅い池へと遊びに行きました。
素足の彼の運動靴が臭いのは公然の事実だったので、履くのを嫌がっていましたが下駄箱まで戻るのに履かないといけません。「昼休憩はどうしよう」と言っていましたが、水遊びに満足したようで、大休憩が終わると返していました。
もちろん長靴の中までびしょびしょに濡れていましたが……。
上級生の赤い長靴
一緒に通う同級生のラメ入り長靴の女子と登校することがほとんどでしたが、そこに一緒の方面の学年が2つ上の女の子と共に登校することもありました。
私たちが4年生のときに6年生の女子です。
当時の私からすると、6年生の女子といえば身長も高いのでかなりお姉さんに感じていました。
そして何よりも、かなりの美少女だった印象が強いです。素足の彼らとよく学校で一番かわいいのが誰かと話し合うと一番先に名前が出てみんなほとんど納得しました。しかも他の女子と違って凄く優しかったのです。自分たちが話しかけに言ってもにこやかに話してくれたのです。
私たちと一緒に登校するときも色々話しをしたり、彼女とガールズトークをしながら並んで歩く後ろを私がついて、一緒に話しながら登校したのも良い思い出です
さて、そのお姉さんですが、私たちと通学路が一緒ということで雨の日には例の水たまりエリアを通過しないといけません。
他の上級生は諦めて濡れる運動靴で通過して、学校で靴下を脱いでいました。その頃は高学年はあまり長靴を履かなかったからです。
ただその中でも珍しく、お姉さんは雨の日は長靴で登校していました。「履いて行け」と言われていたと本人は言ってた記憶がありますが、もしかしたら濡れるのが嫌だった私たちと同じだったかもしれません。
トイレ掃除の当番には基本的に立候補していないことも聞いたので多分そうです。
どんな大雨の日にも靴下を脱いで過ごしていた印象がないからです。
でも、その長靴は赤い婦人用でした。彼女が気に入らなかったような学校に置いてある先生の長靴のようなタイプでした。長靴を没収された友人の色違いバージョンだと思います。
気になって2人で何でその長靴を履いてるか聞いたこともあります。たしか理由は、足のサイズが24cm以上あるから他の可愛い長靴が履けないとのことでした。
そんな質問をしても優しく答えてくれましたが、今から思うとちょっと申し訳なかったかなと反省です。
また、派手な靴下でなくて紺色がかった黒いハイソックスを毎日履いていたので、さらにお姉さん感が出ていました。
雨が降って登校のときは歩道と言えども、傘をさしていると2人並ぶと精一杯だったので、女子2人が前を歩いてその後ろを私が歩きます。
お姉さんの足跡に合わせて歩いたりしましたが、彼女の長靴を見比べると、かなり柔らかいことに気付きました。
歩くたびに履き口が脚に合わせて音もなく変形して、また戻るのが不思議でした。
学校に到着すると6年生の下駄箱に1人だけ、赤い長靴が入る訳ですが遠くから見て何故か恥ずかしくてドキドキしたのも印象的です。。
後、たまに4~6年生合同体育というのがあったのですが、大雨の日に6年生ほとんど素足状態の中、お姉さんが一人だけ靴下を履いていたのが凄く心強かったし嬉しかったのです。
その影響で、自分が高学年になっても履いて登校しようと思ったのかもしれません。
中学生のセーラー服と赤い長靴
赤い長靴を履いていたお姉さんですが、私たちが5年生になった時点で、すでに小学校を卒業して中学校1年生になっています。
通っていた中学校は小学校とは反対方向になるので、これまでのように一緒に通うことは出来ません。
しかし、小学生の待ち合わせ場所かその付近で毎朝、すれ違っていたので「おはようー」と優しく微笑んでくれたり、一言二言ぐらい会話することができました。
中学校の女子の制服はセーラー服、靴下はくるぶし以上の丈で白色で、運動靴も同じく白色と決まっています。
今まで履いていた紺色っぽいハイソックスは履けなくなり、残念がっていましたが、やはり美少女は何を着用しても似合うように白いハイソックスも似合っていました。セーラー服が似合っていたのは言うまでもありません。
下校時については、部活動の関係でなかなか出会えませんが、中学校のテスト期間中には通学路の途中で出会うことができました。
さて、小学生のときには雨の日は長靴を履いていたお姉さんですが、さすがに中学生になると赤い長靴を履いている姿を見ることは出来なくなりました。
私たちが2人が長靴を履いている天気の日でも足元は白い運動靴。中学生になると歩き方で濡れないんだなーと勝手に思っていました。
梅雨の真っ只中、強い雨が降っていて、普段の雨では水たまりができないような場所にも深い水たまりが出来ている朝の通学路でお姉さんが歩いてくるのが見えました。
足元はいつもの通り白い運動靴、俯きながら少しでも浅いところを歩こうと飛び飛びに歩いているのが分かります。
「おはよー!雨すごいね。気を付けていってね」
私たちのことを心配してくれましたが、2人ともお姉さんのほうが気になります。
「靴大丈夫!?」聞くと、「まだ、なんとか大丈夫!運動靴でも頑張るよ」と言い、別れました。
けど、強がっていたのが私たちにすら伝わってきました。
白い靴下にはすでに水しぶきでところどころ変色しています。お姉さんが歩いてきたところを歩くと、運動靴だと確実に濡れるほどの水たまりエリアが続いていました。既にびしょ濡れだったのは明らかです。
お姉さんと、3人で長靴を履いて登校した仲だったので自分たちも辛くなりました。
私と彼女は無言になり、激しく傘に打ち付ける雨音だけが印象に残っています。
学校に到着すると、簀子には足跡がたくさん付いていて長靴組以外みんな素足で上履きを履いている状態でした。
下校時にもまだ雨が降っていて、2人で水たまりを蹴りながら下校していると、男子中学生たちとすれ違います。テスト期間中だったようで、中学生の下校時間が早いのです。
少し雨が収まり、傘をたためたので歩道と街路樹の間の一番深い水たまりに入って話に夢中になっていました。
「おかえりー」
聞き覚えのある声がして「お姉さんだ!」と一瞬で理解して振り向きました。なかなか下校時に出会えないので逢えたら嬉しいのです。
ただ、足元を見て私たちは悔しくなりました。
朝履いていた白いハイソックスではなくて素足で運動靴を履いていたお姉さんが立っていました。
やはり中学校に到着する前に靴下はびしょびしょで、今日一日ずっと素足で過ごしていたとのことでした。
「やっぱり長靴には勝てないね」微笑みながら、私たちに近付いてきて運動靴のまま水たまりに入りました。
ちょこっと水たまりを蹴って私たちに水しぶきを飛ばしてきました。よく登下校中、3人で水たまりに入っていたように……。けれどもお姉さんは長靴を履いていません。
久しぶりだけど何かが違い悲しくなりました。他の上級生がみんな靴下を脱ぐ羽目になった状況でもお姉さんだけは靴下を履いていたのに……。
「これだけ濡れたら靴、明日まで乾かないかな」
明日も天気予報は雨。
家に帰ってからも、明日のお姉さんの心配でいっぱいでした。濡れた運動靴で登校するのか、乾いても雨なら靴下をまた濡らしてしまいます。天気予報の時間になればテレビに張り付いて何度も確認しました。予報は今日と変わらず雨でした。
目覚めて外をすぐ確認すると雨が降っています。昨日よりはマシそうですが、道路にはたくさんの水たまりが見えました。
先に妹が長靴を履いて出発。しばらくして私もトレンチボーイを履いて待ち合わせ場所に向かいます。運動靴を履いていると想定して、水を避けて通ろうとしましたが水たまりが大きくてすぐに諦めました。
ラメ入り長靴の彼女と合流。会話はお姉さんの話題ばかりです。
昨日すれ違ったあたりで、足元を見た感じ小学生っぽい”子”が向かって歩いてきています。
「忘れ物かな」学校とは反対方向な上、自分たちが一番登校が遅いぐらいなので今から戻ると遅刻確定です。
いや、すぐにどういう”子”か私たちは理解,、テンションが上がりました。
紺色のスカート、白いハイソックス、そして赤い長靴――その”子”の元へ濡れるのも構わずに駆けつけます。
お姉さんが高学年の雨の日毎回履いていた、あの赤い長靴を履いていたのです。
「運動靴が乾かなかったから、長靴を履いて行けって言われちゃった。久しぶりだから恥ずかしいー」昨日の微笑みとはまた違った素敵な笑顔で。
履いて行けと言われたのは、本当ではないことは私たちは薄々気づいています。でも、それよりも二度と履いてこないと思っていた長靴を履いてきたこと、登下校で水たまり遊びをした3人が復活したことが凄く嬉しかったのです。
もちろんお互いこれから学校なので遊んでいくわけにいかないので別れますが、昨日の足取りと比べたらかなり軽く明るい登校になりました。
下校時刻にはすっかり雨も止んで、道路の水たまりも随分小さくなっています。放課後遊びきらずに、いつもより早く私たちは下校開始。通学路の途中にある小さな空き地でお姉さんを待ちます。
すぐに向こうから赤い長靴を履いたセーラー服の中学生が歩いてくる姿が見えました。
今日は靴下が濡れなかったこと、一人だけ長靴だったこと、卒業以来はじめて履いたこと、とても嬉しそうに話してくれました。
よほど嬉しかったのか、片方の長靴を脱いで、乾いたハイソックスのつま先を見せびらかせにきたのがかなり印象的な思い出です。自分たちから見たらお姉さんだけどやっぱり子どもじみたところもあったんだなぁと懐かしいです。
それから悪天候のとき――年に数回ぐらいしかないような大雨のときには、赤い長靴を履いたお姉さんに出会えました。
あとひとつ印象的なのが、登校する前まで凄い雨が降ったときの出来事です。登校する頃には雨もマシになっていましたが、降った雨が低いところに溜まって一時的に冠水した場所もできた日のことです。
深いところでもトレンチボーイの足首程度の水深だったので濡れることなく進めました。
その日もお姉さんは赤い長靴を履いて歩いてきましたが、何故か私たちを見て苦笑いしました。
どうしたのかなと思うと同時に白いハイソックスが少し茶色く濡れているのが見えてびっくりしました。
話しを聞くと、田んぼの近くのところで浸水したそうです。長靴なら歩道の縁石を歩けば余裕で濡らさずに通れるけど、水が茶色く濁っていて分からなくて踏み外したと言っていました。
だから、今のうちに靴下を脱いでおいた方がいいと教えてくれました。2人ともすぐに脱ぎました。
お姉さんと別れるときも、よく聞くと赤い長靴から歩くたびにグチョ・グチョと鳴っていたのを覚えています。
忠告された場所に近づくと、たしかに一面茶色に濁っていてどこが縁石かは分かりません。下手に変ったところを進むのも危ないので、いつもの歩く場所を長靴を濡らす覚悟で進みました。
まずトレンチボーイの通気口から水が入ってきて、あっけなく満タン。
彼女もフードがなくなった長靴になったので、一番深いところで浸水。
結局、通過したあと長靴を逆さまにして水を捨てる必要がありました。
こんな天気だったので、滅多に長靴を履いてこない子でも履いてきていました。他の通学路ではそこまで深いところはなかったようで、普段の大雨よりもむしろ靴下を干している割合は少なかった気がします。
お姉さんのアドバイスのおかげで、靴下を脱いで登校した私たちは下駄箱あたりで脚を拭いて靴下を履いたので、素足で一日過ごす状態を避けることができました。
その日も下校時には雨が止んでいました。あとは帰るだけなので2人ともソックスを履いたまま濡れた長靴に脚を入れます。
どうやら中学生も早めに下校だったようで再びお姉さんに出会いました。
赤い長靴は朝のままですが、白いハイソックスが見えません。
結局、学校に着いてすぐに靴下を脱いで、一日ずっと素足生活。しかも、クラスの他の女子は予め靴下を履かずに登校したり、代わりのソックスを持参していたようで、お姉さん1人だけ素足だったそうです。
更に、テスト期間中だったので校則がいつもより厳しめで、くるぶしソックスを履いていると思われて「キチンと靴下を履くように」と先生に注意されたようです。長靴を履いてきたのに濡れたんです、と伝えたら笑って許してもらえたそうですが(笑)。
長靴の中濡らすのは、かなり久しぶりで小学校の水生生物調査以来だとか。
でも素敵な笑顔で話しをしてくれたのは忘れられません。
玄関掃除と下駄箱異臭騒動
トイレ掃除当番のように、玄関も当番制でした。高学年の代表と低学年の代表が組んで一緒に掃除します。
校庭掃除に次ぐ人気のある掃除場所でした。教室掃除だと雑巾がけが必要ですが、玄関掃除だと雑巾がけは簀子だけで済むからです。
玄関を箒で掃くのが主な作業でしたが、一週間の中で必ず一回は個人の下駄箱に溜まっているゴミを掃くように言われていました。具体的に言うと、月曜日は1・2年生の下駄箱の中を掃除、火3年生、水4年生、木5年生、金曜日は6年生の下駄箱を掃除することで1週間の当番の中で全部回ることができます。
下駄箱の中を掃除するには、中に入っている靴を一旦手に持たないと砂を掃けません。校庭掃除と玄関掃除以外はみんな校舎内の掃除で、ほとんどの運動靴は下駄箱に入ったままです。
そのため靴を手に持つ子が必要でした。たしか2人組になって、一人が靴を取り出して持ち、その間にもう一人が塵取りを片手に持ち箒で下駄箱の砂を掻き出していました。
雨の日だと、長靴を取り出して手に持ちますし、濡れた運動靴だと触った瞬間湿っているのがよく分かりました。
さて、他の子の靴を持つ必要がある玄関掃除で問題になったのが靴の臭いです。
私たちの学年には自他共に認める、足が臭い男子がいました。トイレ掃除で私と遊んだいじわる好きないつも素足の彼です。
天気に関わらずいつも靴下を履かず、雨の日には敢えて水たまりを踏んで登校します。
そのため私たちの下駄箱周辺一体が臭うほどでした。
どんな臭いかといえば、大きな犬の体臭と納豆が混じったような臭いだった印象が強いです。
もちろん彼だけでなく、お調子者の友人の下駄箱、素足が好きな女子、今から思うと私の下駄箱も臭っていました。
ただ、彼だけがダントツで臭かったのです。
自分の学年だけなら、みんな知っているので文句を言っても冗談で済みますが、他の学年からはガチの苦情が入ってきました。
たしか低学年の子が泣いてしまったとか、上級生が怒ってきたり、最終的には児童会でも言われるほど大きな問題になったのです。誰かが勝手に彼の下駄箱に消臭剤を置いたようで「臭いのはオレだけじゃない!」と激怒。
クラス内でも放課後みんな居残りさせられて話し合うぐらいの問題になりました。詳しいことは長くなるので省きますが、そりゃ名指しでクレームが入ったらキレるのも無理ないです。
結局、どうやって解決したかといえば生活科の手洗い体験の授業でした。みんな自分の普段履いている運動靴を洗いました。夏場だったので1時間目に洗い、直射日光に当てて干したら昼休憩には乾ききっていた気がします。それでも何故か私たちの下駄箱は近寄りがたかったですが……。
ちなみに、素足の彼やお調子者の友人が休憩中に”臭いチェック”と称してクラスメイトの靴を確認したそうです。特にみんなの前で公表するとかなかったので安心ですが……。
ちょうど”臭いチェック”のときに雨でトレンチボーイを履いて来ていました。二人に「ちょっと来い!」と言われ他の子から離れた場所に連れていかれます。
「マジでヤバいぞ」と少し怒りながら真剣な表情で、トレンチボーイが臭かったことを指摘されました。
曰く、ゴムかビニールと生ハムみたいなウィンナーの臭いが混じった状態、と言われたようで顔が真っ赤になるほど恥ずかしかったです……。
たしかに今でも臭う長靴でしたが、まさか本当に嗅がれるとは思っていませんからね。ちなみに、お調子者の友人のほうがまだヤバかったとのことで、少し安心!?でした。
さて、私の玄関掃除の思い出ですが、そもそもトイレ掃除に立候補することが多かったので、教室掃除以外になかなか他の当番になったことがないです。
でも数少ない玄関当番でも一番印象に残っている出来事があります。
お姉さんの赤い長靴を触った思い出です。
雨の日、6年生の下駄箱にはお姉さんの赤い長靴一つだけが、ちょこんと入っていました。真っ赤なので凄く目立ちます。
滅多にない玄関当番で、しかも下駄箱にはお姉さんの長靴が入っている……こんなチャンスは二度とないだろうと気づきました。
何人かいた玄関掃除のメンバーに「靴持つ係になるー。誰か箒で掃く係してー」と頼みます。靴を持つ係は誰もしたくなかったので、すんなりと思惑通りになりました。
全く濡れてない靴もあれば、触っただけで湿っている靴もあり「長靴を履いてくればいいのに……」と思いつつ、視線は赤い長靴に引き寄せられていました。
すでにかなりドキドキでした。
優しくて美少女でいつも登校が一緒のお姉さんの履いている長靴を手に持てるなんて……。
ドキドキしながらお姉さんの下駄箱が近づいてきました。
下駄箱から取り出すとき、履き口に指先を突っ込んで触れます。トレンチボーイと違い裏地は薄いカーペットのような素材であることに気付きました。そして持った瞬間、凄く柔らかい長靴だということに気づきました。
他の子と違い、長靴特有の足音もなく歩いていた理由が理解できました。歩くたびにグニャグニャと長靴が波打つのもこんなに柔らかいからだと分かりました。
近くで見ると、微小なひび割れが多数あり履き込まれているのがよく分かりました。靴底の波模様の溝も踵付近は擦り減ってツルツルになっています。靴の中を覗くと、真っ黒な裏生地が見えますが、かかと付近が破れていたのも見えました。
前に聞いたときに「4年生ぐらいからずっとこの長靴ー」と言ってたのを思いだしました。
優しいお姉さんがこんな使い古した長靴を履いているなんて……。
ほんの短時間でしたが、凄く長く感じたお姉さんの下駄箱掃除でした。
下校時、お姉さんと出会ったとき、小学生男子特有の謎の恥ずかしさで、いつもより無口になってしまいました。
「先生に怒られた?」と微笑みながら心配してくれましたが、まさかお姉さんの長靴を持って恥ずかしくなったから、と本当のことは言えません。
「まあ……。」
下校中もあえて水たまりの深いところを歩くお姉さんが印象的でした。
ラメ入り長靴がまたサイズアウト……カレンジュニア054へ
5年生になった頃です。
ラメ入り長靴もだんだん光沢を失ってきました。他の子よりも長靴着用率が高い上、何度も脱いだり履いたりするので次第に履き口のカバーのピンク色の部分が所々剥げて劣化してきました。しかも、下駄箱に入れるときにカバーを内側に折り畳んでギリギリ入るぐらいだったので、なおさら白くなってきます。
直接、水濡れが発生する訳ではないので問題なしですが、着用感が凄く出ていました。
履き込んでボロくなるのは、お姉さんの長靴のように問題はありません。
再び、長靴が小さくなってきたのです。
同級生でも一番背が高い彼女は、1年間で足のサイズもまた大きくなったようです。雨の日、歩くのがまた遅くなり、靴が痛いと言い出しました。
お姉さんがセーラー服を着て長靴を履いてくる前に、2人でやりとりした内容を覚えています。
「○○ちゃん(お姉さん)みたいな赤い長靴だったら大きいサイズあるでしょ?履かないなら貰ったら?」みたいなことを言います。「あの長靴はちょっと……。もっと可愛いのが欲しい」とのことで靴屋さんで探しているようなことを言ってました。
まあ、学校でもお姉さんの履いていた長靴が先生用に何足も置いてありましたし、農作業の婦人が履いているイメージなので仕方ないです。
幸い、彼女の新しい長靴が見つかりました。
週明け、今回は雨だったので晴れた日に履いてきませんでしたが。
今までピンク系統だった長靴から一転、水色のゴツイ長靴を履いてきたのです。
黒いハイソックスの下が水色になっていたのでびっくりしました。通っていた小学校では女子は赤色かピンク色が多かったのでとても新鮮に見えました。
「足、ぜんぜん窮屈じゃない!可愛いでしょ」と喜んでいて私も嬉しくなりました。
下駄箱に入るか心配でしたが、ギリギリ入って安心しました。
ラメ入り長靴と比べると、フードの分丈は少し短くなりました。それでも下駄箱には3mmも隙間がないぐらいで、急いで入れたら長靴がグニャリとなったままなので気をつけていました。
つま先はかなりゆったりになりました。ラメ入り長靴はつま先にかけて低くなっていたのでデザイン的には良かったようですが、サイズアウトしてくるとキツく感じたそうです。その点、水色のカレンジュニア054は履いたまま足指をもぞもぞできると言ってました。
あと履き口が大きくなりました。成長して少しふっくらしてきたふくらはぎでも、かなり余裕がありました。
歩くたびに履き口がふくらはぎに「ペコッ、パッコ」と打ち付ける音が心地よかったです。
ダイナミックな動きになっていたのです。
またもや、私のトレンチボーイ006が負けたと思ったのも印象的です。
丈は負けてますし、通気穴の分も水色長靴が強く、全体的にゴツくて見た目も負けました。
ただ、今までフード付きの長靴を履いていた彼女から見たデメリットが、水しぶきが靴の中に入ってくる確率が上がったとのことです。
今までならフードを絞れば、雨も水しぶきもハイソックスにかかることは無くても、この長靴にしてからちょっと履き口あたりのソックスが濡れるようになりました。つま先や足裏でないので脱ぐ必要はなかったですが。
このカレンジュニア054になってから、登校中、地面から雨が降っているのかと思うぐらいの大雨の日、学校に着いたとき彼女のハイソックスから水が滴るほど、長靴に雨が入っていて泣きかかっていたのを覚えています。もちろん私のトレンチボーイも水浸し、長靴組も全員濡れて、珍しくみんなで素足生活でした。
さて、サイズアウトした他の友人たちのエピソードも覚えている限り簡単に紹介します。
お調子者の友人は、青い長靴に亀裂が開いてしまいました。長靴を履いたままサッカーや缶蹴り、石を蹴りながら下校したりするぐらいだったのもありますし、お兄さんのお下がりの長靴だったのでかなり履き込んでいたのです。
黒い長靴にエメラルドグリーンのラインが入った長靴に履き替えていました。
黒い長靴に変えてから、太陽が当たってきたとき「ヤバい!熱くなってきた!蒸れ蒸れになってきた!」とか言いながら、靴飛ばしをしていたこともありました。いつも素足の彼もよく借りて履いていました。
光沢があったのもごくわずかで、すぐに傷まみれになった長靴でした。
紺色長靴を履いていた友人は、それすらサイズアウトしてしまいました。
身長も大きくなっていた代わりに足のサイズも26cmか27cmになったようです。婦人用の長靴もそのサイズはありません。
結局、単純に真っ黒な短め紳士用長靴を履いてきました。丈も短くなり「これだと長靴じゃなくて短靴だ」とか残念がっていました。
ちなみに私も6年生の後半ぐらいにトレンチボーイがキツくなってきました。
紺色長靴の友人がサイズ小さくなってきたと言ったときに、代わりに紺色長靴を履いてみました。するとちょっと余裕があるほどでした。なかなか一番大きい紺色長靴も売っていなかったので、「要らないなら欲しい」と冗談で言ってみると、彼も乗り気に。
紺色長靴を履いていた友人と親同士も仲良かったので、黒長靴を購入後、正式に頂いた訳なのです。
トレンチボーイが小さくなってきたので、せっかく貰ったし履き心地も良かったので、雨の日は紺色長靴を履いていくことになりました。
お姉さんの色違いの長靴を履けることが嬉しかったのも理由の一つです。
トレンチボーイと比べてかなり柔らかい長靴です。
通気口がない分、深いところへ行けそうでしたが、足首の上あたりのゴムが劣化していて水漏れするので、この長靴でも水遊びをするといつも靴下が湿っていました。
ただ、やはりトレンチボーイが履けなくなり寂しさも大きかったのも事実です。
カッコイイ長靴から女性用の長靴になり、無茶なことも次第にしなくなりました。
長靴を汚したくない女の子
学校まで歩いてすぐの家に住んでいる女の子がいました。
少し歩いて、運動場を横切れば学校の玄関です。そんなに近かった訳ですが、雨の日はピンク色の長靴を履いて登校していました。カレンジュニア054のピンクですね。運動場が水はけ悪かったのも理由だと思います。
さて、そんな女子ですが、長靴を汚すのをすごく嫌がる子でした。
雨が止んだ集団下校の日だと運動場で集合して整列。校長先生の挨拶で下校開始。
ただ、長靴を履いて来た男子は特に、待ち時間についつい足踏みをして泥を作ったり、ぬかるみで遊んだりします。そんな泥んこのところを通るのを凄くイヤがっていました。長靴だから汚れたら洗えるじゃん、と言われても納得しません。
水生生物調査のときも長靴を履いてきていましたが、唯一ひとりだけ長靴の中を濡らさずにクリアできたのもこのピンク長靴の子だけでした。トレンチボーイは通気穴から浸水、ラメ入り長靴の彼女は足を踏み外してドボンッと水没、他の長靴も諦めましたが、当時からカレンジュニア054だった彼女は、丈の長さと慎重さで通過できたのでした。
稲刈りのときは長靴ではなかったですし、汚れることがないのでいつまでも新品のような長靴でした。
ちなみに、その子はトイレ掃除が下手でもありました。
基本的にラメ入り長靴だった彼女か親友の素足好きな女子、どちらかが立候補することが多かったので他の子は、トイレ掃除をしませんでした。
ただ、休んだ場合や立候補しなかったときは、他の女子が掃除する必要があります。
お約束ですが、靴下を濡らすことが多かったです。でも、片足だけ濡れたら、その靴下だけ脱いで、もう片方は履いたままでした。
だから、片足だけハイソックス姿という珍しい光景を見ることができました。
夏休みの河川清掃で蒸れた長靴
希望者だけ参加でしたが、夏休み中に地域の河川清掃イベントがありました。
同級生も何人か参加していたので、私とカレンジュニア054になった彼女も初参加することにしました。
てっきり水際を掃除するものだと思っていたので、「長靴のほうがいいよね?」私たちは相談して履いていくことを約束しました。
当日、朝から陽射しが厳しい中、氷をたくさん入れて心地よい音がなる水筒と帽子を被り、長靴で集合場所へと2人で向かいます。集合場所には大人も多く集まっていて、その中から同級生を見つけ近づきます。
しかし、長靴で参加している子どもは私たちだけでした。
どうやら小学生は川の近くの道のゴミ掃除担当だったのです。
7月終わりの一番暑い中、アスファルトからの熱でも溶けそうになりながら掃除をします。髪の毛は汗でびしょびしょ、目に汗が入り、ふとももから膝に汗が流れ2人のハイソックスの履き口も染みてきました。
足元の長靴に至っては、蒸れを通り越してベトベトしていた不快な記憶があります。
去年の社会見学で蒸れたのよりも更に酷かったです。
休憩時間になり冷えた缶ジュースを頂いて木陰で休憩しましたが、もはや長靴を脱ぐ気にもならず履いたまま。
けど、誰かが私たちが長靴を履いていたので「川の浅瀬のゴミを掃除して貰おう」と提案してくれて、休憩後は川に降ります。
ようやく足を冷やせると2人で喜んで川に入ると、ひんやりとして気持ち良かったものの、蒸れた長靴が一気に冷えると靴の中の蒸れが水に変わります。
「長靴に穴が開いてる!?」と思うほど靴下が濡れました。
お互い確認すると靴下は変色してびしょびしょですが、これ以上長靴に水が溜まることはありませんでした。
掃除が無事に終わり解散となりましたが、帰る途中、舗装の熱で再び蒸れて、自宅に戻ったときには脱いだら薄っすら湯気が見えたのが苦い思い出です。
上履きを脱ぐ足癖の悪い同級生の女子
ラメ入り長靴からカレンジュニア054に履き替えた彼女のことです。
いつから上履きを脱ぐようになったのか、ずっと脱ぐ癖があったのかは分かりません。
私が気づいたのは、ここでも紹介したエピソードで、彼女が長靴を履けなくなり大雨のとき靴下を濡らしてしまった日のことです。
今までずっと長い靴下を履いていた彼女が素足でいることに、すこしドキッとしたのか視線がついつい彼女の脚を見ていました。すると、上履きから素足の踵を浮かし始めます。しばらく半脱ぎ状態でしたが、ついに完全に脱いでしまい上履きの上で裸足になってしまいました。
他に何人か素足の子もいたのに彼女だけ上履きを脱いでいたのです。
素足で上履きを履くから気持ち悪いのかな、と思っていました。
その出来事があってから彼女の足元が気になるようになります。
結果、晴れた日で靴下を履いている日にも脱いでいることを知りました。
赤いストラップタイプの上履きだったので、脱いではストラップのところにつま先を引っかけてぶらぶらしたり、下敷きにしていました。
トイレ掃除の当番が始まってから――特に長い黒長靴に変わるまでの間、掃除後はほとんど素足状態だったので、履かずに裸足で指先まで露わになっていました。
ただ、そのときの担任の先生が割と厳しめの方だったので、授業中に上履きを脱いでいることは許してくれません。休憩時間などに呼び出しされていました。はじめは優しく注意だったけど靴脱ぎを何度もするので、かなりきつく怒られたようです。
涙目になって戻ってきたこともありました。
詳しいことは忘れましたが、面談のときに相談があったのかは定かではないけどある日から彼女の上履きの種類が変わりました。
脱ぎやすいストラップタイプの上履きから、私の履いている「ハ」の字型の上履きに変わっていました。
上履きは自由だったので何を履いてもOKですが、サイズが変った・破れた等で履き替える場合だいたいみんな今まで履いていた同じ種類のサイズアップになります。
違うタイプになるのは珍しいので、何かあったのかと思っています。
この「ハ」タイプにしてからと、先生に注意されたことから靴脱ぎの回数が減りました。トイレ掃除で靴下を濡らした後でもキチンと履いています。
それから、私もいつしか気にならなくなり脚元に視線がいくことが無くなりました。
……
これで足癖の悪さが直ったかと思えば、更にエスカレートしていきました。
進級して担任の先生が変わりました。1クラスしかない学年だったので、クラス替えなしにみんなそのまま、変わるのは先生だけです。
彼女も上履きをキチンと履くようにしていましたが、ついつい靴脱ぎをしてしまいます。けど足癖に関しては特に注意することもない先生で、怒られないことが分かってから酷くなっていきました。
上履きを下敷きにするのは日常風景になり、上履きの踵をつま先で踏んで立てたり、回転させ始めました。
挙句の果てには、片方の脚だけ椅子の上であぐらをかいて、足を触りながら勉強することも増えました。
だから、消しゴムやシャーペンを落としたときに、彼女の机の下に転がれば、足で押さえて、すくい上げて手渡ししてくれました。
足の臭いとか苦手だったので、足で拾ってくれるのは凄くイヤだったのでやめて欲しいと思いましたが言えません。
体育館で体育座り(三角座り)をして待っているときでも上履きを脱ぎ、すました顔でつま先をいじっていた光景を覚えています。
上履きを脱いで床に足を付けているとソックスも汚れてしまいます。基本的に黒いハイソックスだったので汚れは分かりません。
でも、上履きがだんだん汚れて変色してきます。しかも、あんまり週末に持って帰り洗うことをしなかったので、全体的にうすい茶色になった上履きだった印象が強いです。
白いハイソックス
いつも一緒に登校する足癖の悪い女子が、珍しく白いハイソックスを履いてきました。
運動会は白いソックスと決まっていたので、一応みんな何足か持っています。だから、持っていること自体は珍しくもありません。
ただ、みんな黒い靴下を履いていたので珍しいという訳です。
理由は簡単で、いつもの靴下が乾かなかったからだそうです。少しギャップがあり、中学生っぽい感じに見えました。
本人曰く「白い靴下は履きたくない」とのことですが、トイレ掃除があるので靴下を履かずに登校するのは諦めたと言っていました。
白いハイソックスなので、汚れてしまうからキチンと上履きを履いていたほうがいいのに、いつも通り足癖の悪さで足裏を汚して、帰ってから怒られたというのも後日聞きました。
放課後に靴や靴下を脱いで会話した女子
放課後は自由なので、高学年になると何かしながら友人同士会話することが増えます。基本的に晴れた日は運動場に出て遊ぶように言われていたので、外で会話をします。
だいたいここで紹介した、私と紺色婦人長靴を履いてる男友達、ラメ入り長靴から水色長靴に変った彼女とトイレ掃除の当番を一緒にする長靴を持ってない女の子の4人で固まって話をしていることが多かったです。
だいたい玄関付近の段差のところか、渡り廊下の近くのコンクリートのところで話をしました。
たわいない話をする訳ですが、そこでも彼女の足癖の悪さが印象的です。一人だけ運動靴を脱いで足を触りながら会話していた記憶です。
ある放課後、あの時何故か彼女だけ長靴だった日です。みんな長靴なら校庭の池で遊びながら会話するはずなので。
玄関付近の段差で腰掛けて会話をしていたとき、はじめは長靴を履いて一緒に何かの話題を楽しく会話してしました。
彼女の長靴が気になるので、チラホラと気にしながら会話に参加していると、次第に片手を長靴に突っ込みだしてもぞもぞとし始めました。その点はいつものことですが、とうとう片方の長靴を脱いでしまい、ハイソックスになった脚をもう片方のふとももに載せて足裏を掻き始めました。
足癖が悪いのはみんな知っているので特に何も言いません。
けど、このときは様子が違いました。
少し涙目になって「ゴメン、足が痒い」と彼女が言い出しました。みんな口々に心配の言葉やアドバイスをします。黒いソックス越しに足裏を掻きむしっていると顔まで赤くなってきたのがわかりました。
「保健の先生に言ってこようか?」誰かが言ったけど、彼女は拒否。先生には言わないでとのこと。もし長靴が原因だとか言われるのが怖かったからです。
「何か掻くもの持ってくる」彼女は一旦どこかへ行きました。
その間、3人で大丈夫かなと心配の会話をします。もしかしたら水虫になったのかと言い出して、みんな落ち込みました。
よくお調子者の友人が長靴と水虫がどうとかの話をしていたので、余計に現実味がありました。
結局すぐに彼女は戻ってきました。手には玄関掃除のチェック表を持っています。厚紙に白い紙を貼っていて鉛筆も紐でつけている、みんなが使う表です。
何をするのかと思うと、土踏まずが見えるぐらいまでハイソックスをずり落ろしました。土踏まずは既に赤みがかっています。
驚いたのが、チェック表の角を素足になった土踏まずに押し当ててゴシゴシと擦り始めました。他の3人ともびっくりしましたが、本人は「マシになってきた」と満足気味になり表情も良くなってきました。
チェック表で掻きながら、話題はみんなの足が痒くなった経験の話をした記憶があります。チェック表で擦った影響で少し角が変形しましたが、そのまま元に戻します。それから玄関のチェック表を見るたびにこの出来事を思い出すことになります。
その日は結局そのまま靴下を履いて長靴で下校していました。
次の日、さりげなくお調子者の友人に水虫について聞いたら、だいたい足の指の間が痒くなると言ってたので大丈夫だとわかり安心しました。
それから特に夏場の放課後、腰掛けて会話するときには靴下を脱いだり下敷きで足を扇いだりして痒くならないように心掛けていたようです。
ちなみに放課後、みんなで遊ぶ人数が必要なことをするときは、それぞれのグループが合流します。たいていいつも素足の彼やお調子者の友人が集合をかけました。
ある日、彼女は片足だけ裸足になっていたところへ、「ケイドロするから集合!早く!」と大声で呼ばれたので急いで自分たちも運動場の中心に集まります。
ただ、彼女はハイソックスを履く間がなかったのでそのまま長靴を履いて走りました。
片足だけ素足だけどみんな特に気にせずにスタートします。
長靴の彼女は校庭の浅い池に逃げれるのでなかなか強かったです。
結局、完全下校時間までみんなでケイドロに熱中したので、家に帰るまで半分靴下半分素足で帰ったのも印象的でした。
水色長靴のにおい
たしか学習発表会前の掃除の出来事です。いつもはしないところも分かれて掃除をします。私たちは体育館玄関の掃除をすることになりました。
4人が担当で、私とお調子者の友人、いつも一緒に登校する水色長靴の彼女と、ピンク色のカレンジュニア054を履いた女の子でした。
また長靴メンバーな訳ですが、雨が降っていたので体育館の玄関前に水たまりができています。そのため長靴を履いてきた子が任されるのは必然でした。
いつもの玄関の下駄箱から長靴を持ってくる必要がありますが、位置的に遠回りになります。
「オレと○○(私の名前)で、長靴持っていくから先に体育館に行って」
お調子者の友人が言い、女子二人も「じゃあお願い」と先に行きました。
二人で喋りながら玄関に向かいます。
内心、すごくテンションが上がっています。いつもの彼女の長靴を手で持っていけるのは幸せだな、と純粋に思っていました。
私たちの下駄箱に到着すると、お調子者の友人は自然な流れでピンク色の長靴を手に取り顔を近づけ匂いを嗅ぎました。
私は驚きます。
「そんなことしたら怒られる!早く持っていこうよ」
「いや、あんまり臭くないから大丈夫」答えになっていない返事が印象に残っています。
いったんピンク長靴を床に置きます。
そして、手は水色カレンジュニア054に伸びました。
「こいつのはヤバいぞ。はっきり言ってオマエのより臭いから」
嗅ぐ前から言い、それからクンカクンカし始めました。普段からなんでも匂いを嗅ぐ友人でしたが、実際に長靴を嗅いでいる姿を見て衝撃でした。
嗅いだあと、私のほうに水色長靴を突き出してきて「オマエも嗅げよ」
「怒られるからイヤ。そんな変なことしたくない」みたいにもちろん拒否。
でも、それで済む訳がありません。「じゃあみんなに言うから。○○が女子の長靴のにおい嗅いでいたって」全くしてないのにでっち上げた脅しをしてきます。別にいいよ!と言えるはずもなく、言いなりになり嗅ぐことになりました。全く興味がなかったかといえば嘘になりますが、私は純粋に彼女の長靴姿が好きなだけでした……。
嗅ぐ前に中を覗くと、白いはずの中敷は黒くなり、全体的に薄汚れた水色になっています。いつも靴脱ぎをして靴下が汚れているのが原因です。
軽く嗅いだだけは特に臭いがしませんでした。でも、「もっと深く嗅げ」と友人が催促します。
ショックでした……。
友人のように履き口をつけて深呼吸して嗅いだ瞬間、「納豆を靴の中にこぼしてたのかな」と思ったもののそれが足の臭いだと気づいたとき悲しくなりました。長靴自体のゴムの臭いと発酵臭が混じって、嗅いだことない臭いだったのです。
こんな可愛らしい長靴が私の上履きをはるかに上回るほど異臭を放っているとは思えず、それからしばらく落ち込み調子が悪くなってしまいました。
「まあこれでも嗅いで落ち着けよ」ピンク長靴を差し出してきます。このピンク長靴のほうが前から履いているのに中も汚れてなくて、においもほとんどしなかったと覚えています。
結局、自分たちの長靴と女子二人の長靴を提げていったのですが、ぜんぜん嬉しくなかったです。
私はテンションが下がりきって、会話には生返事で返して、無性に生あくびをしていた記憶です。
それから、足癖が悪い理由もなんとなく理解しました。教室で飾り付けをするときに彼女が机に乗ったとき足跡が付くので、ほかの女子たちに「自分の机持ってきて」とか言われていたのも思い出しました。足が温かくて、その熱を冷ます為に無意識にしょっちゅう靴脱ぎをしていたのだろうと思います。
私も高校ぐらいになってから、足が熱を帯びることがあり靴脱ぎをしていたので、彼女は当時から蒸れやすい足だったのかと後年納得しました。
かわいい女子の足は臭くないと思っていたピュアな考えは、そのとき初めて崩れてしまったのです。
それ以降もう嗅がされることはなかったので良かったです。臭いんだろうな……というイメージは湧いてきましたが。
田植えのエピソード
小学校の野外活動といえば田植えと稲刈りですが、ここでも長靴のエピソードを思い出しました。
田植えは素足ですることになっていたので長靴の出番はない予定でした。
しかし当日の朝、小雨が降って天気が悪かったですし、もしかしたら長靴を履いて田植えできるかもと思ったので履いて登校です。
田植えもあるか分からなかったけれどタオルとかの準備は持って行きます。
結局、雨が落ち着いたので植えることに決まります。体操服に着替えて学校から少し離れたところにある田んぼまでマイクロバスで向かいます。
小雨だったこともあり長靴数名で他の子はいつも通りの靴を履いているわけですが、靴下を無くさないようにするため予め学校の教室に置いていくことになっていました。
ほとんどの児童が靴下を脱いでいたたと思いますが、長靴組はなぜか脱がずにそのまま田んぼへ向かいました。
長靴を履いた恥ずかしさはあったけれど、優越感というか無敵感があったのでしょう。
まあ長靴で田植えする気持ちになっていたと思います。
やはり長靴の彼女が素足で田んぼに入るのは嫌とのことで長靴を履いたまま植えることになりました。
私も長靴でとりあえず植えることにしました。
他のみんなは素足で田植えするので、靴を脱ぎますが天気がややこしかったので屋根の下にまとめて置きました。
もし田植え中に雨が降ってきたら靴が濡れてしまいますからね。
長靴組はそのまま田んぼに入るのでその点は心配いりません。心配することは転んだり脱げたりして長靴が泥んこにならないかどうかだけです。
準備ができて横一列になり田んぼに入ります。色んな歓声があちこちから聞こえるなか、おそるおそる長靴で入るときの感触ですが、本当にこの田んぼに底があるのかと思うぐらい沈み込みました。トレンチボーイの通気口ギリギリと感じるぐらいです。
また抜こうと思ってもなかなか足が上がってきません。稲の苗を持っているので毎回手で履き口を引っ張って歩くわけにもいきません。
長靴を履いた男子友達に至っては、片足が脱げてその間にバランスを崩して靴下越しに田んぼに突っ込んでました。
結局、長靴を履いて入ったけれど素足のほうが良さそうだったので素足で田植えすることにしました。
ただ、既に小雨が降ってきたので長靴も屋根のところへ脱いでくる必要がありました。彼女も素足になったので一緒に持って行ってと頼まれました。先生に事情を伝えると、だから長靴を脱いで裸足で植えろといったのにと怒れれ、すぐ戻ってこいと言われました。
急いでみんなの靴を置いてある屋根の下に走り、こっそり履いていた靴下も脱いで長靴の中に入れます。すでに田んぼの泥だらけになった長靴だったので、他の靴の近くに置くのは申し訳ないと思い少し離して置きました。
慌ててまた田んぼに戻り、今度は素足で入りますが生暖かった泥の感触は忘れられません。
なんだかんだワーワー言いながら田植えをしましたが、だんだんと雨が強くなり、田んぼから出ると体操服も濡れるぐらいの本格的な雨が降ってきました。
水道のホースの水で先生たちに足を洗われて、屋根の下に集まります。
各自持ってきたタオルで足を拭いて靴を履くわけですが、私たちは長靴を洗う必要があります。
ホースのところまで持っていこうと、近づくと様子がおかしいことに気付きます。
なんと私が長靴を置いた場所が悪くて屋根の水がちょうど落ちて長靴と靴下が濡れてしまっていたのです。
もちろん、一緒に置いた彼女の長靴も同様です。
すごくハラハラしました。自分のはともかく、頼まれて置いた長靴がびしょびしょになっていることに申し訳なさを感じました。
そして彼女はたまに泣くこともあったので、先生に怒られることもすごく恐れていました。
原因は私ですから言い訳はできません……。
長靴を逆さまにしたけど水はほとんど出ません。靴下が水を吸収しているからです。
なんとかする方法を必死に考えてみたけどよい方法はありませんでした。
素直に正直に話し、謝りました。
すごく驚かれましたが、なんとか泣かずに許してもらえました。
結局、素足で長靴を履いて学校に戻ります。
私はポケットに入れてあった靴下を片方落としてしまう出来事もあり、その日は珍しく素足で上履きを履いて過ごしたのが嫌な思い出です。
長靴組全員が靴下を汚したり濡らしたりしてしまった苦い出です。
稲刈りのエピソード
田植えした田んぼの稲刈りをする授業がありました。
田んぼが乾いているので運動靴で大丈夫とのことでした。
そして本来は午後から稲刈りだったけれど、前日の予報で昼から雨が降ってくることが分かり、午前中に変更すると伝えられました。
私たちも晴れたら運動靴で稲刈りをする予定でしたが、昼から雨なら長靴で行ってみようか!ということになり当日は長靴で登校と決まりました。
昼から大雨の予報なら長靴を履いて登校したことが何度もあるので特に躊躁しません。
案の定、長靴で登校したのは数名。
1時間目だけ授業をして、それからジャージに着替えて、万が一汚れたとき用の体操服を下に着てマイクロバスで田んぼに向かいます。
注意事項を聞いてから実際に体験です。
そして始める前に農家の方が、長靴を履いている私たちを見て、せっかくだから普段は小学生に任せないぬかるんだ場所を刈ってほしいと提案してくれました。
私たちは喜んで返事をしました。素足の彼も運動靴が泥だらけになってもいいから一緒にしたいといって参加です。
稲刈りのときの泥と違い、水分の少ないぬかるみでした。
泥はねとかは少ないですが、一度泥に長靴が沈み込みとなかなか抜けないです。
彼の運動靴が脱げて一瞬どこか分からなくなる出来事もありました。
長靴組のなかでも、丈の長い私が深く沈み込む場所を担当しましたが、何度も片足が脱げてその度に肩を貸してもらって代わりに長靴を引っこ抜いてくれました。
ジャージも泥まみれになります。
稲刈りを終えて田んぼから出ると、長靴の周りに泥の塊がまとわりついて何色かも分からなくなりました。
歩くと足が重たいです。さすがにそのままではいけない思い、洗おうとしましたが用水路には水が流れていません。片方の足でもう片方の長靴の泥を落とすしかできません。ある程度落としたので、汚れたジャージを脱いで半袖半ズボンの体操服になりました。
お礼の言葉も代表の子が言って、さあこれからマイクロバスで学校に戻ろうとしたとき、汚れた靴ではバスに乗れないわけで、急遽ホースの水で洗うことになりました。
給食の時間が迫ってきていたので、とにかく急いで先生も走って水道のホースまで移動です。
洗うことになったのは、長靴組と彼です。
一人ずつ洗うよりも、みんな並んで水を掛けられて手で擦る方が早いと言って実際に確かめました。
彼女は急いで、膝丈の靴下を下げて長靴の中に隠して履き口のフードを閉めました。長靴の中に水を入れられたら困るからです。
ただ、フードがないトレンチボーイを含め他の長靴ではどうすることもできません。
靴下を脱ぐことも許されなかった上に、このやり方だと余計に時間が掛かることが判明しました。
結局、一人一人ホースの水圧で泥を落とすことになりましたが、先生も靴下が濡れないように注意して水を掛けてくれたのでみんなの靴下はセーフでした。
彼女はフードを絞っていたので先生も特に気にせずに堂々と水を掛けていました。
ただ、私のトレンチボーイの通気口が原因で水が入ってきて靴下がびしょびしょです。
ぱっと見水が入るとは分かりませんし、履き口まで汚れていたので洗った先生は悪くないのですが、とてもショックでした。
水を捨てる時間もなかったので、がぽがぽ言わせながらバスまで走るのが凄く恥ずかしかったです。
給食開始のギリギリの時間に学校に戻ったので、急ぐ必要があるので靴下を絞っている時間がありません。
長靴の水を捨てる間もなく、靴下を脱いでとりあえず長靴の中に入れました。すると彼女も同じようにしていました。
フードを絞っていたので大丈夫かと思ったら、その間から水が入ってきたとのことでした。
結局、夕方も大した雨が降らなかったけど、濡れた長靴で下校したのです。
冬の長靴での思い出
そんなに雪が積もらない場所でしたが、それでも年に数回雪が積もりました。
また、雪が降っていなくても路面の凍結が激しいときは長靴で登校しました。歩道の水たまりエリアはスケートリンクみたいになっていました。
ちなみに私は寒がりだったので、男子にしては少し長めで厚手の靴下を履いていました。
ホントは女子が履いているような膝下の長さのを履けば暖かいだろうけど、さすがに長すぎるのでミドル丈の靴下でした。たまには膝丈のハイソックスも履いていましたが……。
基本的に長ズボンでしたが、体操服のときは半ズボンでした。いくら寒いときでも、みんなジャージのズボンは滅多に履かない風潮があったので半ズボンです。
そのため冬は体育の前のトイレ掃除がかなり寒かった訳です。さすがに寒いときはあえて水を入れることはしません。水を扱うのでそれだけでツラい担当でした。
ただ、寒いからといってホースの水が長靴に入らない訳ではありません。気をつけていても、シーズンに何度かは水が入って靴下がダメになります。
教室に暖房があるとはいえ、さすがに極寒の季節は濡れた靴下は厳しいので素足で上履きになっていました。ただ、廊下とかを歩くと冷たさがダイレクトに足に伝わりかなり後悔します。
ある日、雪が残って凍結してたので、寒さで硬くなったトレンチボーイを履いて登校しました。体育が1時間目にありますが、体育館でする予定で、しかも縄跳びだったので長靴でも大丈夫です。
朝掃除でトイレ担当だったので、体操服に着替えました。
ただ、「今日は運動場凍って乾いているから体育は外で縄跳び」と決まり、長靴で縄跳びをすることになります。
靴下を濡らしたらマズイ、と思いながらトイレ掃除を始めます。
慎重になり掃除のスピードが遅くなっていたようで、他の場所を終えた友人たちが「先に運動場に行くね」とトイレの入口から声をかけてきました。
私は自分の掃除が遅れていることに気付きます。
「ごめん、ホースの蛇口全開にしてくれない?」と頼んで、全開にしてもらいました。急いで水を掛ける為です。
しかし、この考えが間違っていました。
個室の掃除をするときに、急に水の出が悪くなり、捻じを解消しようとしたときです。
ホースの水が急に出てきて、不意に太ももにかかり、脚を伝い靴下が水浸しに。
慌てて離したつもりが動揺して、もう片方の長靴に注ぎこまれて、踝以上に水が溜まってしまいました。
最悪の結果になりました。
冷たさで悲しいのはもちろん、これから一日中、靴下が履けないのがショックでした。
まだデッキブラシでタイルを擦る作業があるので、水を捨てて靴下を脱いで絞り簀子に置いて、再び濡れた黒長靴を履いて掃除の続きをしました。掃除が終わり雑巾で足を拭いて上履きを履きます。
この後、縄跳びをするのですが、靴下は使える状態ではありません。
結果、素足でトレンチボーイを履いて凍った運動場に向かったのですが、かなり冷たかったのを覚えています。しもやけになりそうなぐらいでした。
ただ、運動すると身体が暖まってきます。足元の冷たさもマシになり、終わりには汗が出るぐらいになっていました。下駄箱に片付けるときに、トレンチボーイから湯気が出ていたのが恥ずかしかったですが……。
雪合戦でも色々ありました。珍しく雪が積もっていつものメンバーだけが長靴履いていたのですが、他の子は運動靴。大休憩に遊んだときにほとんどみんな靴下を濡らしてしまいました。
いっそのことみんな素足にしよう、ということで昼休憩は、長靴組が雪合戦で狙われることになりました。みんな体操服です。
私は結構面白かったのです。もちろん集中的に足元を狙われたうえ、溶けかけの雪だったのですぐに靴下はびしょびしょになりましたが……。
ただ、彼女はフードを絞っていたのでなかなか濡れず最終的に集中的に狙われてしまいました。
結局、泣いてしまいその後クラスでみんな先生にかなり怒られてました。
逆上がり
他にも長靴に限らず思い出はありますが、特徴的なエピソードはこんな感じですね。
特に一緒に通っていた女子との思い出がありました。
あとは、鉄棒が2人とも苦手で居残りで練習させられたこともあります。
朝、雨が降っていたけど止んで、体育の鉄棒を長靴でした放課後でした。
2人とも体操服に着替えて先生も見ているなか、長靴で逆上がりの練習をしました。
このままだとできるまで帰れないかもと、泣きかけながら2人練習しました。
すると彼女のほうが先にできました。「もう帰ってもいい」と先生に言われてましたが、そのままずっと横で応援してくれました。
勇気を出して勢いをつけると長靴が脱げたと同時に、知らない間に一回転できました。先生も彼女も私もすごく喜んだことはすごく印象に残っています。
卒業後
地元の中学校に進学するクラスメイトが多かったのですが、何人かは私立中学校へと進学です。
いつも一緒に登校していた彼女は、私立の女子校へと進学しました。
あれだけイヤがっていた白いハイソックスを毎日履くことになりますが、それでも見慣れないストラップシューズと制服が凄く似合っていたのは良かったです。今まではその辺にいる小学生だったのが急に大人っぽく見えました。
私も中学生になったことで少し大人になった気分でした。今から見るとただの子どもに変わりませんが……。
長靴もお互い卒業です。
お姉さんと私たちのように朝だけでも出会う関係ならいいですが、彼女の学校は遠いので早めに登校していて出会えないのです。お互いそれぞれの学校で新たな出会いが増えるのは喜ぶことです。雨が降るとき小学校の通学が楽しかったと再認識すると寂しくなりましたが。
それでも下校時にタイミングがあれば話しをする機会がありました。靴に関することでは、雨の日はストラップシューズはすぐ濡れると言ってました。靴の甲がむき出しなので降ってきた雨に弱いとのことです。
また、上履きがないので体育やパソコン室以外はずっとストラップシューズを履いているとのことでした。代わりのソックスを持っていっても靴が濡れているから意味がないと嘆いていました。靴脱ぎにも厳しいらしくてそれも残念がっていました
朝から大雨が降った日、私が苦手な運動靴に水が染み込んでくる感覚を味わいながら中学校へ。テスト期間中だったので部活動はなく、速やかにみんな下校します。
自宅まであと少しとなったとき、見慣れない制服の女の子が見えました。いつもの彼女でした。しかしその日は足元が黒っぽく見えました。
長靴を履いていたのです。すぐに駆け寄って話します。今までの可愛らしい長靴と違い、かなり地味になっていましたがそれでも嬉しかったです。
「紺色だったらOKって言ってたから久しぶりの長靴!」とご機嫌になっていました。
ただ、上履きがないので一日中ずっと長靴だったから逆に蒸れてソックスが濡れたとのこと。
後日出会ったときに、「ソックス脱いだら足が白くふやけていて色々とヤバかった」と言ってたので、長靴を履いて行くのは余程の大雨のときに限られていました。
それでも、年に数回ぐらいの大雨の放課後には長靴姿の彼女と出会うことがありました。
そのときは私の足元も紺色長靴でした。
おしまい
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